コーディングと
アプリケーションの改修が不要
ARCAD APIは三和コムテックが2020年9月に発表した製品で、IBM iアプリケーションからRESTful Webサービスを生成し、外部の多様なアプリケーションとの連携を実現する製品である。
IBM iアプリケーションの改修が不要で、コードを書かずにWebサービスを生成できるため、開発時間とコストの削減が可能になる。
Webサービスの生成は、次の3つのステップで行える。
最初に、ARCAD APIを立ち上げて画面を表示させ、5250画面との接続設定を行う。ここでは指定されたフォールドに、ホスト名、IPアドレス、CCISDを入力する。
すると、ARCAD APIの画面上に5250画面が表示されるので、Webサービス化したい部分のシナリオを作成する。たとえば、シリアルナンバーをAPIで取得する場合は、次のようなシナリオを作成する。
①サインオン
②コマンド:DSPSYSVAL SYSVALQ SRLNBR)を実行
③システム値QSRLNBRの表示画面に遷移
④シリアルナンバーをマウスで選択
⑤メインメニューに戻る
⑥サインオフ
シナリオ作成といっても、ログインして5250画面を操作するだけで自動記録されるので、特別なスキルの習得は不要だ。
次に、Webサービス作成画面に、シナリオ作成で選択したフィールドが表示されるので、それをドラッグ&ドロップしてAPIで取得したいフィールドを定義。
これで、Webブラウザでアクセスすると5250画面に接続してシナリオを実行し、取得した値をJSON形式で返すというWebサービスが作成できる。
IBM iと外部アプリケーションをAPI経由ではなく直接、連携させる場合、オープン系スキルやSQLの知識などが必要で、かつIBM iアプリケーションの改修なども必要なため、IBM i技術者には敷居が高かった。ARCAD APIは、そうした状況を切り開くソリューションと言える。
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